経過観察中に注意すべきことは、帯下(おりもの)や月経の変化

子宮筋腫は良性の腫瘍で緊急性の低い病気です。
子宮筋腫があると診断された場合でも、全く症状のない場合も多くあります。
症状がない場合や筋腫が大きくなっている様子がない場合には、特別な治療を行わないのが一般的です。
この場合、経過観察という措置が取られますが、これはただ放置してよいという意味ではなく、定期的に検診を受けて観察する必要があるという措置です。

特に年齢的に閉経が近い女性では子宮筋腫が大きくなっていても経過観察の措置が取られることが多くあります。
それは閉経後には筋腫の発育が止まり、その後はほとんどの筋腫が小さくなるからです。

反対に20歳代、30歳代では年齢的にその後筋腫が大きくなる可能性が高く、何かの症状が表れる可能性が高いと考えられます。
そのため経過観察といっても定期検診を忘れずに受けることが大切です。

経過観察中に注意すべきことは、帯下(おりもの)や月経の変化です。
異常に気がついたら早めに受診し、必要に応じて治療を受けることになります。
また筋腫があると貧血になりやすいため、毎日の食事で鉄分を多く摂るように心掛けるようにします。

貧血の程度によっては経過観察中に鉄剤が処方されることもあります。
また病院によっては食事内容や生活習慣の見直しによって筋腫の発育を遅らせる試みが行われます。

子宮筋腫の発育や他の臓器への影響は予測ができません。
経過観察は筋腫の変化にいち早く対応するための重要な措置なのです。