漢方は、自然の薬物によって筋腫による辛い症状を取り除くことを目的としています

漢方は中国の伝統医学で、天然の生薬を2種類以上組み合わせて作られた漢方薬を処方して治療を行います。
子宮筋腫の治療において、西洋医学薬物療法や手術によって筋腫を人工的に取り除く治療が行われますが、薬物による副作用は強く、手術も体に大きな負担をかけます。
これに対し漢方は、自然の薬物によって筋腫による辛い症状を取り除くことを目的としています。
さらに生活習慣を見直し、血行促進や冷えの解消などによって筋腫が大きくなるのを防ぎます。

また漢方では子宮筋腫の出来ている場所や数、大きさだけではなく、患者の体質に合わせて薬を選ぶという点でも西洋医学とは異なります。

漢方において子宮筋腫は「おけつ」という「血の滞り」が原因で起こる病気だと考えられています。
そこで治療では「駆?血剤」(くおけつざい)という種類の薬が一般的に使われています。
「駆?血剤」の代表的なものには「桂枝茯苓丸」(けいしぶくりょうがん)、「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)があります。
この2種類の薬によって多くの女性の症状が改善しています。
また「加味逍遥散」(かみしょうようさん)や「桃核承気湯」(とうかくじょうきとう)、「折衝飲」(せっしょういん)なども多く処方されています。

漢方薬は効果が表れるまでに時間がかかるという認識が広まっていますが、体質にあっていれば1週間から2週間で効果が表れることもあります。

近年では西洋医学の治療に漢方を取り入れる病院も増えています。
子宮筋腫の治療においても漢方を上手く取り入れることで、体に負担の少ない効果的な治療が可能になるでしょう。