子宮筋腫全体の95%は体部筋腫です

子宮筋腫は発生する場所によって種類に分けることができます。
大きくは子宮体部に発生する「体部筋腫」と子宮頸部に発生する「頸部筋腫」に分けられ、子宮筋腫全体の95%は体部筋腫です。

体部筋腫は位置によってさらに筋層内筋腫、粘膜下筋腫、?膜下筋腫の3種類に分けられます。
筋層内筋腫は子宮の筋肉組織内にできる筋腫で、子宮筋腫全体の7割を占める一番多い筋腫です。
小さなものから握りこぶし大のものまで大きさはさまざまで、複数できることもあります。
小さいうちは症状が表れませんが、大きくなると子宮内膜の圧迫や内腔の変形を起こし、過多月経や月経困難症などを引き起こすこともあります。

次に粘膜下筋腫は子宮内膜のすぐ下に発生し、子宮の内側に向かって発育する筋腫です。
全体の1割程度と少ない発生率ですが、過多月経や不正出血などの症状が最も強く表れる筋腫です。
また子宮内膜に受精卵が着床しにくいため、特に妊娠がしにくくなります。

さらに粘膜下筋腫が茎を持って子宮壁とつながる「有茎粘膜下筋腫」では、まれに膣の中に筋腫が出てくる「筋腫分娩」が起こることもあります。

最後に?膜下筋腫は子宮の外側の漿膜にできる筋腫で、子宮筋腫全体の20%がこの種類です。
筋腫が大きくなっても症状が現れず、気付かないまま過ごす人も多くいますが、子宮から突出するように発育する「有茎漿膜下筋腫」では茎がねじれたときに激しい痛みを伴います。

いくつかの種類が合併して発生する子宮筋腫も多く見られます。