集束超音波治療とは超音波の振動エネルギーを筋腫に集中させて筋腫細胞を壊死させる治療方法

近年、新たに行われている子宮筋腫の治療に集束超音波治療があります。

集束超音波治療とは超音波の振動エネルギーを筋腫に集中させて筋腫細胞を壊死させる治療方法です。
これは虫眼鏡で太陽光を1点に集中させると、焼け焦げるほど熱を集める原理を応用したもので、通称FUS(ファス)と呼ばれています。

体を傷つけず安全で、日帰り手術が可能なこと、これまでに80%程の患者の症状が改善したという報告から、日本でも注目を集めている治療です。

実際の治療で患者は集束超音波装置の台へうつぶせになります。
腹部をベルトで固定し、痛み止めを使用するため、熱さや痛みはほとんど感じません。

この集束超音波治療は米国で5年ほど前に導入され、米国では2004年に正式な治療として認可されています。
しかし日本ではまだ始められたばかりで、健康保険が適用されません。
そのため50万円から80万円の高額な治療費がかかってしまいます。

また集束超音波治療は筋腫を根治するものではなく、筋腫を小さくして症状を改善することを目的としています。
そのため再発の可能性も高く、その場合は再び治療を受けることになります。
また妊婦や筋腫の大きさ、場所によって治療できる筋腫に制限があり、十分に医師と相談した上で治療方法を選択する必要があります。

集束超音波治療はまだ日本では実施が少なく、子宮筋腫治療の有効な選択肢となることが期待される一方、治療効果が不確かで、将来的に保険で認められる可能性が低いことから、将来的な普及はないとの見方もあります。