閉経後に大きくなっている肉腫は子宮肉腫の可能性があります

子宮筋腫と似ているものに子宮肉腫があります。
子宮肉腫とは悪性腫瘍のことで、さらに「がん」と「肉腫」に分けられます。
がんは子宮の上皮組織から発生するのに対し、肉腫は子宮の上皮以外から発生する腫瘍です。

子宮肉腫は悪性腫瘍の中でも発生率の低い病気で、子宮頸部より子宮体部に多く発生しています。
子宮筋腫と症状が似ているため区別が難しい病気ですが、診断の目安は次のようになっています。

筋腫は月経時に下腹部や腰の痛みが見られるのに対し、子宮肉腫は痛みが月経に関わらず持続します。
そして月経以外に不正出血がみられることがあります。

また子宮筋腫はおりものの分泌は多くありませんが、子宮肉腫は褐色や黄色のおりもの、水様のおりものが分泌されることがあります。
肉腫に他の臓器が圧迫されると痛みを伴うのも子宮肉腫の特徴です。
子宮筋腫は閉経後に小さくなりますが、閉経後に大きくなっている肉腫は子宮肉腫の可能性があります。

子宮肉腫は診断が難しく、確定診断は手術によって行われます。
子宮筋腫の手術中に肉腫が見つかることもあります。
その場合は筋腫だけを取り除いて一旦手術を終了し、再び回復手術で子宮全摘出を行うことになります。

子宮肉腫の進行が進んでいる場合には手術による治療は不可能であり、科学療法や放射線療法で進行を遅らせたり、痛みを和らげたりする治療が中心になります。

下腹部の痛みや出血など子宮筋腫のような症状があっても自分で筋腫と決めつけず、CTやMRIなどの設備がある婦人科で検査を受けることが望まれます。